アーティストモジュールとは
レーザーカッターのことを書いているのに、全くレーザーを使っていなくて申し訳ないが、今回もまた違う話。このモジュールはペンを差し込んで、LX1が絵を描いてくれるというもの。ベクター彫刻用の出力のオンオフをペンの上下に置き換えてあるようなものだろう。
太さ5から20㎜、長さ100から200㎜のペンに対応しているらしい。布用ペンを使えば好きな絵をシャツなどに描くこともできるかもしれない。まぁでも筆圧などは変えられないだろうから、過剰な期待は禁物。
まずは接続
描きたい紙とペン、LX1の準備をする。LX1側は全ての配線とアーティストモジュールをセットしておく。モジュールには使用するペンをセットして、ペン先が紙に触れないような高さにしておこう。後で高さは変更することになる。PCとはUSBもしくはBluetoothで接続する。
用意するペンはペン先が柔らかくないほうがいいと思われる。塗りつぶしをしないならボールペンでもいけそうだ。マッキーなどが転がっているならそれでもいい。なにを描くかにもよるが、今回は0.7mmのペンを準備した。
LaserPecker Design Spaceが用意されているので、ダウンロードしてインストール。スマートフォン用にもアプリがあるが、詳細なGPS情報を求められるので、ご利用は自己判断で。
早速起動して、言語を変更する。
もういやってなんだ、自棄にでもなっているのか。クリックしてもなにもないので気にしないことにする。こんなものを気にしていては外国産ソフトは使えないのだ。
「新しいファイルを作成する」を押したら、右上にある「デバイス接続」をクリック。
自分の接続環境に合わせてUSBかBluetoothのデバイス一覧からそれらしきものを選んでクリック。ここに何も表示されない場合はUSB、もしくはBluetoothドングルの接続を確認。接続に失敗する場合はLX1とアーティストモジュールをつなぐType-Cが奥まで入っているかを確認しよう。
無事接続できたなら、作業領域を示す赤い四角と、右上にはデバイス名が表示される。これで準備完了、お疲れ様。
データの準備
お試しなので、すでに準備してある絵を利用しよう。
左に並んでいるツール群の一番下の「素材」をクリック、「Svg」を選んだらLaserPeckerのロゴマークをクリックする。GcodeとSVG以外にある絵はうまくアーティストモジュールでは扱えないことがあるので注意。「地元」はローカルファイルの事だと思われる。
右に「塗りつぶし」と「ライン」というのがあると思うが、「写真」では上手くいかないので注意。もし読み込んだ絵が写真モードになっていたら、違うものにしよう。大きさと位置を適当な場所に設定したら「プレビュー」をクリック。
プレビューが「範囲」になっていれば、アーティストモジュールが描画範囲を示すために動いているはず。これを参考に紙の位置を調整。その後「キャリブレーションを開始」をクリック。
この画面が表示され、ペン先が少し下がる。この位置が実際に描画するときのペン先の位置のため、ペン先が紙に触れるまで、モジュールを上下させよう。終わったらキャリブレーションを終了させ、「次へ」をクリック。
この画面が出たら、「確認」を押そう。データが送信され、間もなくお絵描きが始まる。
ようやくお絵描き
今回わたしが用意したのは0.7㎜の製図ペンだ。ドローイングに使われるのでちょうどいいはずである。
どういうことだろうか。ここまで動かしてみたがどうにもならないので停止させた。なんだかズレてる上に塗らなくていいところも塗られている。インクが飛び散っていたので、0.3㎜のペンに変えて、塗りつぶしなしでやってみようか。ラインだけの動作だ。ついでにその後行った塗りつぶしの成果も見てもらいたい。
ラインはどうにかなったが、塗りつぶしは悪化している・・・。もはやなにを描きたいのかが分からない。うーん、これは原因は分からないが、早いうちにレーザー彫刻を試してみないといけないようだ。
とはいえ、煙なしでLX1の精度を確かめたいので他の塗りつぶしを検討して、Inkscapeの拡張である「KM-Laser」を試してみた。この拡張のHatch Fillを使用して、塗りつぶし部分を無数の縦線で埋め尽くす。勢いあまってお腹のPの字を塗りつぶしてしまったが気にしない。
分かりやすく線を太くすると、こういうことだ。使うペンはボールペンへと変更する。
前のやつと比べると格段に良くなった。微妙に塗りつぶせていないところはボールペンのせいかもしれないけど、線の長さがあるところはちゃんと塗れている。冒頭で塗りつぶしにボールペンは向かない的なことを書いたが、この方法なら問題ない。インクの消費量は気にしてはいけない。
こうなってくると、ますます普通の「塗りつぶし」機能の失敗が気になるので小さいサイズの彫刻を試してみるしかないようだ。
レーザー彫刻の結果
ということで、さくっとレーザー彫刻で試してみた。彫刻の際のパラメーターは公式サイトのページにあるが、20W用はカットのパラメーターしかないので、仕方なく10Wのパラメーターで行った。排煙に関しては、ダクトファンで外に直接吐き出している。隣の家が近いとか集合住宅の場合は怒られないように注意。
やはり出力が強すぎた感はあるが、彫刻自体は問題なくできている。アーティストモジュールでは上手くいかなかっただけのようだ。
今回のアーティストモジュールの試行は微妙な結果となったが、余裕ができたら塗りつぶしについてもう少し試していきたいと思う。
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